2012年2月6日月曜日

救出2) 直前/情報漏れ

1月12日午後、少女たちの救出を決断する。警察との打ち合わせに入る。この段階でもっとも気を使うのは、不良警察官から売春宿への情報漏れだ。去年の8月の摘発では、情報漏れがあり、売春宿に救出に入っても、もぬけの殻だったからだ。

救出チームは、詳細な打ち合わせをするために、12時ごろに警察署に到着する。コーディネーター、カウンセラーの女性2名が警察署に入る。捜査員は車で待機だ。不思議に思うかもしれないけれど、捜査員は警察署に入ることは、ほとんどない。


なぜなら捜査員の顔が警察に知れわたると、不良警察官が売春宿側に、「こいつが捜査員だ。気をつけろ」と伝えてしまう。だから、捜査員は、警察との交渉の表には立たない。そして、捜査員っぽい人が警察署に入ると、摘発があるのでは?ということに不良警察官が勘付いてしまうことがある。



到着して2時間か3時間たった。
ミーティングが長引いている。



ミーティングが長引いているというよりも、警察側が、例のごとく「インド時間」で約束した時間には現れず準備も不足しているようだ。少しずつ焦り始める。情報が売春宿側にもれてしまうかもしれないからだ。

繰り返しになるけれど、一部の警察官と売春宿は癒着している。今回の救出活動についても、「摘発があるらしいぞ、気をつけろ」と伝えてしまう。その情報の見返りに不良警察官は売春宿側から賄賂をもらうのだ。

内部からの情報漏れにより摘発が失敗することはよくある。実はレスキューファンデーションでも、昨年1件、失敗している。売春宿に踏み込むと、もぬけの空だったのだ。そうなれば、これまでのたくさんの労力が無に帰すだけではなく、レスキューを待っている少女・女性たちがさらに苦しむことになる。それは絶対にゆるされない。

だから、捜査員は、警察に対して最後の最後までどこの売春宿に行くのか、ということを明かさない。実際に摘発チームが赤線地帯に移動し、摘発対象の売春宿が近づいてきたときに初めて捜査員は署長に対して明かすのだ。レスキューファウンデーションはこれまで何度も摘発し、何度も成功してきたが、失敗もしてきた。その経験から、情報漏れに特に注意を払っている。警察は味方でもあるし、敵でもある。


インド時間だとしても長い。捜査員も「長すぎる。情報がもれないか心配だ」と焦りを募らせる。その時、コーディネーターが急いで車に戻ってきた。車内に緊張が走る。ミーティングは無事終え、これからレスキューに向かうことがわかった。

車を急発信させる。GBロードへ向かう。車が混雑しておりなかなか前に進まない。運転手はいつもにまして強引に車をすすめた。

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