2006年11月20日月曜日

経営ノート かものはし2006 下半期

下半期はカンボジア、日本それぞれで幾つかのプロジェクトがスタートします。IT事業xperlが成長を続け全体の屋台骨となっています。この好調を追い風に、カンボジアでの事業やサポーター事業も成長を軌道にのせたいと考えております。と、同時に、特に「カンボジアでの事業は予想外の問題が多くおきる」、「あせるな!考えている5倍ぐらいのスピードで物事は進むとおもえ!」と様々な人にアドバイスを頂いています。一歩一歩着実に進んでいこうと考えています。
・村を作ろう!ハンディクラフトセンタープロジェクト(仮称)のスタート
・PCスクール第4期、第5期のスタート
・心意気プロジェクト

▼ 村を作ろう!ハンディクラフトセンタープロジェクト(仮称)
ハンディクラフトセンタープロジェクトは、シェムリアップ州チクライン地区でハンディクラフトの製造技術を貧しい村人にトレーニングをし、また仕事を提供するプロジェクトです。パートナーである現地NGO WPがこの地域で既に活動を展開しており、今後は共に「活動の強化&拡大」をしていきます。
現在、WPは職業訓練+収入向上を活動のコアにしています。例えば、WPが農民にござ作りのトレーニングをし、農民がござを作り、それを販売することで彼らが安定した生活を営めるよう支援する、ということをしています。問題は、現在のところ、農民が作ったござは、品質が低かろうとなんだろうと、WPが全て買い上げているところです。これでは、農民に対して直接お金を援助するのとなんら変わりなく、WPが外部から資金が調達できなくなれば、農民はまた不安定な生活にもどることになります。
そこでかものはしとWPは農民の生産技術向上、組織的な原料調達・生産・販売体制の構築を行い、持続性・拡大性の高い事業として貧しい村人たちの収入向上支援を行います。
▼ PCスクール第4期、第5期のスタート
また、PCスクールを再開します。第一期~第三期の経験を踏まえて、より多くの子どもたちにより優れたPC教育を行っていきます。11月より3ヶ月間を第4期、2月から3ヶ月間を第5期とし、合計100名の子どもたちにPC教育を提供します。
対象となる子どもたちはNGOに保護されている孤児や貧困層の子どもたちになります。今回は、条件として初等教育を既に終えている子どもたちとしています。これは、PCを学ぶ前に基本的な国語・算数などの学力を身につけることのほうが大事である、という考え方からです。
▼ 日本側の事業展開
日本側では、IT事業の拡大、サポーター事業の試行錯誤を続けてまいります。
IT事業は第二四半期に比較的大きな案件(5人月前後)を複数受注し、納品をしております。既存メンバーにおけるプロジェクトマネジメント力、技術力は高くなりましたので、今後は、これを人数的に拡大していきます。来年中に10~15人のスタッフが働いている状況を目指してきます。この目標は、(1)かものはし全体の財務が安定するライン、(2)カンボジアへ発注することを念頭においたときの基礎的な組織基盤という二つの観点から考えています。
サポーター事業では「心意気プロジェクト」をスタートさせています。
国際協力に関わって社会貢献をすると共に、自分自身もそれを通じて成長する、これをかものはしの裏ミッションとしております。現状では、日本人にとって国際協力はまだまだ遠い存在であると私たちは考えています。日本人と国際協力をぐっと近くするためには、生真面目すぎるのではなく、ファッションやエンターテイメントを絡めていくことが大事だと考えています。そこで、「心意気プロジェクト」を行うことにしました。
このプロジェクトは、日本とカンボジアでメッセージ付き写真を交換するというプロジェクトです。百聞は一見にしかず、ということで以下のスペシャルサイトを是非ご覧下さい。
http://www.kamonohashi-project.net/cocoroiki/
素顔のカンボジア人がたくさん登場しています。これらの写真は「カレンダー」にし、日本では販売、カンボジアでは子どもたちに無料でお届けする予定です。

2006年11月13日月曜日

経営ノート 2006年度上半期 報告 (2)カンボジア

▼ スヴァイリエンでのWPとのプロジェクトの概要
 カンボジア 「スヴァイリエン」州にて7月からスタート予定であったプロジェクトは中止されました。このプロジェクトは「竹家具」「ござ作り」といったハンディクラフトを作る村人たちをトレーニングや販売の支援をすることにより、親は仕事をし子どもは学校にいき、子どもを売らずにすむようにすることが目的でした。このプロジェクトはカンボジアの現地NGOであるWPと提携して行うことを合意済みでした。 

 WPはカンボジアでは中堅クラスのNGOで、「スヴァイリエン州」「シェムリアップ州」「××州」の三州でプロジェクトを展開しています。それぞれの州で行うプロジェクトに対しヨーロッパの複数の団体や国連機関から資金提供をうけ運営されています。 

 WPの特徴としては、かものはしが掲げる「自立収益化」というコンセプトを同じく彼らは持っており、そういう意味で意思疎通が非常に容易であること、農村での活動を多くしておりプロジェクト実務に明るいことなどが挙げられます。 

 私たちはWP以外の団体との提携も検討しましたが、彼らとともに活動することで自分たちの経験不足を補うことができるし、また同じゴール・ビジョンに向かってよく議論し活動することができるだろうと考えWPと提携することを2006年3月に決定しました。

▼ 問題発生
 しかし、5月に入りWPの運営が混乱をしており、プロジェクトの準備段階で停滞しました。大きな原因としては、私たちが活動すると決定していた「スヴァイリエン州」にてWPが実施しているプロジェクトに対する他団体からの資金提供が打ち切られたことにあります。なぜ資金提供が打ち切られたか、というと資金提供団体の方針が変更したためです。WP側は契約が更新されるだろうと考えていましたが、それが更新されなかったため、『突然の資金打ち切り』となり混乱しました。既存プロジェクトの縮小、スタッフの解雇などが必要となったのです。
 また、これ以前より、相手側スタッフのレスポンスが遅い、役割分担したものに関して全く実行されていないなどの問題もありました。

 そこで、私たちかものはしプロジェクトとの新規プロジェクトを実施するのは難しいと、WPと話し合い判断しました。

▼ 学ぶべきこと
 この件を通じて、私たちにも課題が残りました。それは端的にいえば、『このような事態が発生することを予測できなかったか』ということにあります。 

 私たちは提携をする前にWP本部及びスヴァイリエンにて調査をしていました。しかし、それは狙いが明瞭ではなく、また方法としても優れていなかったため、必ずしも深く理解をすることができたわけではない、と反省しています。 

 全てに関して把握することは困難です。例えば、JICAのある専門家は
「選りすぐったJICAの専門家や経験者が事前にリサーチを行った場合でも
問題は常に起こり、それに対処しながらある程度柔軟にすすめていくことに
なる」とこの件に関してコメントしています。

 しかし、ポイントを押さえる事によりリスクを最小限に抑えることができます。今回、特に今回外してしまっており、次回以降よく検討するべき点は以下のようなものです。

 (1) 責任者となるスタッフの覚悟と能力
  ・一緒にプロジェクトをやるとしたら、相手側のどのスタッフが責任者になるのか
  ・そのスタッフはこのプロジェクトを成功させると腹をくくっているのか
  ・そして能力として十分なのか。特に、論理的なコミュニケーションが可能か、農村での実務能力を有しているか
  ・かものはし側スタッフとあわせれば、事業成功に向けたチームになりうるのか  

 (2) 資金を提供している団体の契約内容と戦略
  ・どの団体が資金を提供しているのか
  ・その額と期間はどの程度のものか
  ・どういう意図と戦略で資金を提供しているのか、その戦略とかものはしが考えていことは矛盾を生じさせないか 

(1)(2)ともに、リスクを軽減させるだけではなく、より有効なプロジェクトを円滑に行っていく上で非常に重要な要素だと考えています。現在、WPと仕切りなおし、「シェムリアップ州」でのプロジェクトを準備中です。すでに上記、二点を含め現場レベルで調査を実施、方向性を合意しております。
これに関しては下半期方針にてご報告いたします。

また、今回の一連のプロセスを通じて、私たちの事業の必要性が再度認識できました。
WPがなぜ資金を打ち切られたのか、それは資金提供側の方針変換が大きいことにあります。
このように資金提供側の事情で、つまり現場の都合ではない理由で、プロジェクトが中止されたり、縮小したり
大きく変わることは非常に多くあります。本件はまさにその一つの事例でした。

全てのプロジェクトが自立収益化できるわけでも、するべきではないと思います。
しかし、こと職業訓練や収入向上プロジェクトといった分野においては、より多くの人が受益をできるように、
より安定してプロジェクトを行えるように、「自立収益化」という私たちが掲げているコンセプトは非常に重要だと
感じました。

▼ 最後に

 ご支援を頂いているサポーターや法人の皆様にお詫び申し上げます。
 私たちの力が足りず、上記のように一度事業が停滞する形になりました。 

 この間、多くの方に相談させていただきました。
 「一回失敗しただけだ。もう一回やれば今度はもっとよい形で
  展開できる」
 といった励ましを頂きました。
 私たちは必ず成長し多くの子どもたちにハッピーを届けます。
 これからも我慢強くご支援頂ければ嬉しく思います。



経営ノート 2006年度上半期報告 1 総括

 かものはしプロジェクトの2006年度上半期のご報告をします。
 山あり谷ありといった事業状況でしたが、一歩一歩成長し、カンボジアにとって、そして子どもたちにとって、さらには日本人にとってよい事業を推進できている、と私たちは考えています。

上半期においてもっとも大きかったことは、カンボジアでスタートしたプロジェクトが一度停滞したことです。これは主に提携先のNGOの運営の混乱が大きな原因だったと考えています。 

 現在はその停滞状態から戻り、軌道にのりつつあります。また、その過程では、自分たちの取り組みが間違ったものである、というよりはむしろ方向性は正しく、着実に前に進めていくことが大事であるし、また求められている事業であるという認識を深めました。この失敗で学んだことを糧に提携パートナーであるWPと、ハンディクラフトセンターを設立・運営をし、それを通じて、親には仕事を、子どもには教育を提供してまいります。

 上半期には3名のスタッフで追加で雇用いたしました。下半期に予定しているPCスクール担当のスタッフ1名と、ハンディクラフトセンター担当のスタッフ2名です。いずれも高いモチベーションと能力をもったスタッフです。今後も、事業を拡大するために、スタッフを継続的に採用していきます。 

 また、IT事業xperlが急成長を続けており、安定的に資金供給がされている状態にあります。カンボジアで事業が拡大するにつれて資金がこれまで以上に必要とされていますが、その安定供給にはxperlの成長が大きく寄与しています。 

 上場企業のWEBサイト構築の下流工程を担当しており、この分野においては高い技術力を保有していると認識を受けており営業は好調となっています。今後の課題としては、人数的拡大と組織の強化にあると考えています。現在、5-6人程度の体制ですが、今後は10~15人の体制を来年の夏から秋に構築することをめざします。その後は、カンボジアへ仕事を発注することもオプションの一つとして想定しています。

 最後にサポーター事業は春に新しくスタッフが加入し、私たちは、カンボジアの子どもたちの笑顔を守るだけではなく、この「国際協力」により多くの人が気軽に、楽しく関われることが大事だと考えています。それが日本人にとってもカンボジア人にとっても重要なことだと考えています。その観点から、カンボジアのシルクを日本の帯に提供する「帯プロジェクト」を行いました。今後も同様のプロジェクトを積極的に行っていきます。現在、サポーター数は月に10~15名程度増えています。さらに拡大させるために、WEBサイトの強化、実際にオフでコミュニケーションできる場を多くすること、口コミを誘導するような企画を実施することが必要だと考えています。