2006年11月13日月曜日

経営ノート 2006年度上半期 報告 (2)カンボジア

▼ スヴァイリエンでのWPとのプロジェクトの概要
 カンボジア 「スヴァイリエン」州にて7月からスタート予定であったプロジェクトは中止されました。このプロジェクトは「竹家具」「ござ作り」といったハンディクラフトを作る村人たちをトレーニングや販売の支援をすることにより、親は仕事をし子どもは学校にいき、子どもを売らずにすむようにすることが目的でした。このプロジェクトはカンボジアの現地NGOであるWPと提携して行うことを合意済みでした。 

 WPはカンボジアでは中堅クラスのNGOで、「スヴァイリエン州」「シェムリアップ州」「××州」の三州でプロジェクトを展開しています。それぞれの州で行うプロジェクトに対しヨーロッパの複数の団体や国連機関から資金提供をうけ運営されています。 

 WPの特徴としては、かものはしが掲げる「自立収益化」というコンセプトを同じく彼らは持っており、そういう意味で意思疎通が非常に容易であること、農村での活動を多くしておりプロジェクト実務に明るいことなどが挙げられます。 

 私たちはWP以外の団体との提携も検討しましたが、彼らとともに活動することで自分たちの経験不足を補うことができるし、また同じゴール・ビジョンに向かってよく議論し活動することができるだろうと考えWPと提携することを2006年3月に決定しました。

▼ 問題発生
 しかし、5月に入りWPの運営が混乱をしており、プロジェクトの準備段階で停滞しました。大きな原因としては、私たちが活動すると決定していた「スヴァイリエン州」にてWPが実施しているプロジェクトに対する他団体からの資金提供が打ち切られたことにあります。なぜ資金提供が打ち切られたか、というと資金提供団体の方針が変更したためです。WP側は契約が更新されるだろうと考えていましたが、それが更新されなかったため、『突然の資金打ち切り』となり混乱しました。既存プロジェクトの縮小、スタッフの解雇などが必要となったのです。
 また、これ以前より、相手側スタッフのレスポンスが遅い、役割分担したものに関して全く実行されていないなどの問題もありました。

 そこで、私たちかものはしプロジェクトとの新規プロジェクトを実施するのは難しいと、WPと話し合い判断しました。

▼ 学ぶべきこと
 この件を通じて、私たちにも課題が残りました。それは端的にいえば、『このような事態が発生することを予測できなかったか』ということにあります。 

 私たちは提携をする前にWP本部及びスヴァイリエンにて調査をしていました。しかし、それは狙いが明瞭ではなく、また方法としても優れていなかったため、必ずしも深く理解をすることができたわけではない、と反省しています。 

 全てに関して把握することは困難です。例えば、JICAのある専門家は
「選りすぐったJICAの専門家や経験者が事前にリサーチを行った場合でも
問題は常に起こり、それに対処しながらある程度柔軟にすすめていくことに
なる」とこの件に関してコメントしています。

 しかし、ポイントを押さえる事によりリスクを最小限に抑えることができます。今回、特に今回外してしまっており、次回以降よく検討するべき点は以下のようなものです。

 (1) 責任者となるスタッフの覚悟と能力
  ・一緒にプロジェクトをやるとしたら、相手側のどのスタッフが責任者になるのか
  ・そのスタッフはこのプロジェクトを成功させると腹をくくっているのか
  ・そして能力として十分なのか。特に、論理的なコミュニケーションが可能か、農村での実務能力を有しているか
  ・かものはし側スタッフとあわせれば、事業成功に向けたチームになりうるのか  

 (2) 資金を提供している団体の契約内容と戦略
  ・どの団体が資金を提供しているのか
  ・その額と期間はどの程度のものか
  ・どういう意図と戦略で資金を提供しているのか、その戦略とかものはしが考えていことは矛盾を生じさせないか 

(1)(2)ともに、リスクを軽減させるだけではなく、より有効なプロジェクトを円滑に行っていく上で非常に重要な要素だと考えています。現在、WPと仕切りなおし、「シェムリアップ州」でのプロジェクトを準備中です。すでに上記、二点を含め現場レベルで調査を実施、方向性を合意しております。
これに関しては下半期方針にてご報告いたします。

また、今回の一連のプロセスを通じて、私たちの事業の必要性が再度認識できました。
WPがなぜ資金を打ち切られたのか、それは資金提供側の方針変換が大きいことにあります。
このように資金提供側の事情で、つまり現場の都合ではない理由で、プロジェクトが中止されたり、縮小したり
大きく変わることは非常に多くあります。本件はまさにその一つの事例でした。

全てのプロジェクトが自立収益化できるわけでも、するべきではないと思います。
しかし、こと職業訓練や収入向上プロジェクトといった分野においては、より多くの人が受益をできるように、
より安定してプロジェクトを行えるように、「自立収益化」という私たちが掲げているコンセプトは非常に重要だと
感じました。

▼ 最後に

 ご支援を頂いているサポーターや法人の皆様にお詫び申し上げます。
 私たちの力が足りず、上記のように一度事業が停滞する形になりました。 

 この間、多くの方に相談させていただきました。
 「一回失敗しただけだ。もう一回やれば今度はもっとよい形で
  展開できる」
 といった励ましを頂きました。
 私たちは必ず成長し多くの子どもたちにハッピーを届けます。
 これからも我慢強くご支援頂ければ嬉しく思います。



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