2009年4月19日日曜日

問題の現状認識

NGOが事業を創っていくとき、大事なことの一つに、現状認識がある。

解決しようとしている問題が、どのような問題であり、どうすれば解決できるの

か、そもそも介入する必要性があるのか、それをまず整理しなければならない。
一番やってはいけないことは、NGOの組織として存続するために、問題を過度に

ひどく捉えてしまうことだ。

組織が組織である以上、自己生存のためにそういう風なエネルギーをもってしま

う。

それを抑止し、組織のための組織ではなく、ミッションのための組織であるため

には、やはり現状の認識がとても大事だ。


さて児童買春問題の現状認識というのはなかなか難しい。

理由は、社会の闇にひそむ問題だからだ。
たとえば買春宿に潜入調査しようとするとき、危険にあうリスク、警察に逮捕さ

れるリスクなどがある。そもそも、女性が潜入することは不可能だ。


大事なことはなんだろう。


1)少しでもよいから実際に買春宿の現場を調査する
時として危険を伴う。したがって、大規模にやることは難しい。小規模な調査に

とどまった場合、入った場所、シチュエーション、誰が行くか、によって調査内

容あるいは印象が異なってきてしまう。
しかしながら、現場を見に行って肌感で知ることは大事である。最初のころは危

険であるから、といった理由で訪れることをしていなかった。それをすごく反省

している。
私自身は何度か、10歳前後の子どもが売られている買春宿に行ったことがある。

年齢がもっと上の女性が売られている場所には何十回と訪れた。

女性たちが和気藹々としているところもあった。帰ろうとしたときに「なぜ私を

買ってくれないのか」と14-5歳の子どもに哀しい目で聞かれたこともあった。



2)この問題が起きる構造要因を考える
直接的にこの問題の推移(たとえば、現状で××人が被害にあっている)をみる

のは難しい。そこで、その問題の背景を分析することでその推定が可能である。
たとえば、この問題がおきる要因は


・女性側(売り手側)の「貧困」「無知(たとえば詐欺にあう)」

・買い手側の「欲望」

・それを斡旋する業者の「ビジネス的メリット」

・それを許す社会/政府の「性に対する価値観」や「法律」


といったように分析できる。それぞれがどのように推移しているのか、というこ

とを調査することは、やりやすい。


例)
買い手側の欲望:
ただ単に性行為をするだけではなく、よりきれいな人間とよりよい状況で、時と

して擬似的な恋愛感情を持ちつつ、関係性を持ちたいと最近は考える人間が増え

た。

これは、経済成長を続けた結果、ある程度、精神的にも金銭的にも余裕が出てき

ていることが背景にある


そのため、従来の「置屋」と呼ばれる、女性が置かれており、すぐさま性行為を

する場所ではなく、キャバクラのような店のほうが流行している。

そこにおいては女性側が常に即、性行為を強要されるのではなく、拒否権をもっ

ていることもある。

つまり女性側の”強制度”は下がっている。
(女性側の性的な価値観の変化、”置屋”タイプのわかりやすい場所は警察に目

をつけられやすい、といったこともこの変化の理由の一つだ)


3)考えすぎない、行動することが大事。
分析・調査はきりがない。ある程度のところで行動してみることも大事だ。行動

することで見えてくることがある。

まったくあてずっぽうで活動していてはだめだけれど、方向性が見えているので

あれば、それに向けてまず一歩を踏み出してみることが大事だ。


なぜなら、いまも被害にあっている子どもたちがいるからだ。

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